『カーボン素材について』

 
今回のコラムを書くに至った要因はズバリ、下記内容のメールをいただくことが少なくないからです。 正直なところ・・・・・悔しく思います。

『”Vonarm 73”の価格が五万円を越えているのは、少数生産だから仕方ないですよね。』

 これはもう、違います!!  この価格で販売できるのは、Ripple Fisher さんの男気と、良心につきます。  

 以下、カーボン素材にまつわる近況を書かせていただきます。 
 
今年の7月、日経新聞に掲載された記事を要約します。
カーボン素材は東レ、日本テナックス、三菱レーヨンの日本企業3社で世界シェアの7割を占めているそうです。
そして米ボーイング社が来年運行を始める中型機、B787の胴体や主翼に、更には欧州のエアバス社も超大型機、A380にカーボン素材を採用することを決定したそうです。 軽くて強いカーボン素材を採用することで機体の軽量化が可能となり、航空機の燃費が飛躍的に向上するそうです。
東邦テナックスによると航空業界向けのカーボン素材の需要は2010年には2005年の2.2倍になる見込み・・・・・。

 この影響をまともに受けているのが、釣具(ロッド)メーカーです。 ここ2年間で3割もカーボン素材が値上がりしているとか。。。
航空業界のカーボン素材の大量調達で7割のシェアを占める日本企業は強気一辺倒の商売を始め、釣具メーカーはやむなく値上げ・・・。

 ”ダイワ精工”が公開している企業情報によると、昨年度は売り上げが増えたにも関わらず利益率が低下。 その最大要因がこの”カーボン素材の高騰』だそうです。 総売上の8割以上を釣具が占め、他ではゴルフ用具やテニス・ラケット等等・・・・・まともに影響を受けるわけですよね。

 ちなみに、このダイワの鮎竿で高価格のものは定価60万円です。 80tカーボンを使用していると聞き及びます。

 僕がゴルフに嵌っていた15年ほど前ですが、”カーボン・シャフト”を30tに始まり、80tまでを使いました。 まだまだ安かった(?)当時ですら、ドライバー・シャフト(1mちょっとの”棒”に過ぎません)が、80tカーボン仕様で7万円ほどでした。 
ちなみに僕が購入、使用したゴルフ・シャフトの総本数は100本を越えます。 もちろん、その大半はスチール・シャフトですが。

 ここ数年、怒りを通り越してあきれているのが、(特にシーバス・ロッド)・・・・・”40tカーボン、もしくは高額な素材を使用している”かのごとき宣伝文句の氾濫です。 皆さんもウンザリするほど”超高弾性”という文字を眼にされるでしょう。

 これはもう、誰が触ってもその違いは分かります。 売らんが為の誇大広告・・・ユーザーを馬鹿にしすぎです。 
そのメーカー、そのメーカーのテスター、モニター、関係者全てが軽蔑されることにつながります。  

 釣り具業界におけるメディアの影響力、パワーが落ちる一方なのも、こうしたことが一因となっているのではないでしょうか。

 余談ですが、いわゆる”GTロッド”は軒並み販売価格が6万円を越えるようです。 もちろん高弾性カーボン素材は使いませんし、ガイドはステンレスです。 その市場規模を考えると納得せざるを得ない部分もありますが・・・・・これまた時に???です。 
もちろん、積極的に高弾性化を進めている革新的、良心的なメーカーも確実に存在します。

 最後になりますが、正直なところ、”Vonarm 73”が完成に至るとすれば、販売価格が7万円を越えるかもしれないと思っていました。
 
 いつもながら、リップル・フィッシャーさんには感謝するばかりです。